君とこんぺいとう
後夜祭でのダンス
里中と2人だけの歓迎会をして家まで送ってもらった夜
私は高校時代の懐かしい夢を見た。
文化祭と体育祭のあとに行われる後夜祭の夢だった。
後夜祭では校庭の中心にキャンプファイヤーが焚かれ
その周りでみんなが騒いでいた。
私は友達と校庭の端に集まって話していた。
「萌、最近里中と仲良いよね?」
親友の沙織に聞かれて、私は驚いた。
「そうかな…?」
「うん。
里中も萌のこと、よくかまうでしょ?」
私は沙織にだけ、里中にもらったこんぺいとうの話をした。
「里中って萌のこと好きなんじゃないかな?」
沙織の言葉に私は焦って答えた。
「そんなわけないっ。
里中は誰とでも仲良しなんだよ。
こんぺいとうだって、私が一人で作業してたのを見たから
くれただけだし」
沙織は「そうかなぁ」と納得いかない顔をしていた。
その時、キャンプファイアーを囲んで
フォークダンスが始まった。
本当は見ているだけのつもりだった私も
女子の人数が少ないという理由で
実行委員のクラスメートに
無理やり参加させられる羽目になった。
上級生や同学年の男子の中に、里中の姿があった。
(あと6人と踊ったら、里中だ…)
そう思うとなぜかものすごく緊張してきた。
(沙織が変なこと言うから意識しちゃうじゃないっ)
あと5人、4人と数えているうちに
とうとう里中とペアになった。
「よお、小川」
里中はそう言うと私の手を取った。
「う…うん」
私は緊張しすぎて訳の分からない返事をしてしまった。
「お前…手、冷たいぞ」
里中はびっくりしたように
私をのぞき込んできた。
(ち…近い…)
顔が近づいたことで
ますます私は恥ずかしくなって言った。
「いいのっ。
手が冷たい人は心が温かいんだから」
「へえ、そうなんだ。知らなかった~。
でも、俺は手は温かいけど心も温かいぞ!」
妙に主張する里中がおかしくて
私は踊っている間ずっと笑っていた。
そこで私は目が覚めた。
彼の手のぬくもりを思い出し
私は両手を胸に抱きしめた。
私は高校時代の懐かしい夢を見た。
文化祭と体育祭のあとに行われる後夜祭の夢だった。
後夜祭では校庭の中心にキャンプファイヤーが焚かれ
その周りでみんなが騒いでいた。
私は友達と校庭の端に集まって話していた。
「萌、最近里中と仲良いよね?」
親友の沙織に聞かれて、私は驚いた。
「そうかな…?」
「うん。
里中も萌のこと、よくかまうでしょ?」
私は沙織にだけ、里中にもらったこんぺいとうの話をした。
「里中って萌のこと好きなんじゃないかな?」
沙織の言葉に私は焦って答えた。
「そんなわけないっ。
里中は誰とでも仲良しなんだよ。
こんぺいとうだって、私が一人で作業してたのを見たから
くれただけだし」
沙織は「そうかなぁ」と納得いかない顔をしていた。
その時、キャンプファイアーを囲んで
フォークダンスが始まった。
本当は見ているだけのつもりだった私も
女子の人数が少ないという理由で
実行委員のクラスメートに
無理やり参加させられる羽目になった。
上級生や同学年の男子の中に、里中の姿があった。
(あと6人と踊ったら、里中だ…)
そう思うとなぜかものすごく緊張してきた。
(沙織が変なこと言うから意識しちゃうじゃないっ)
あと5人、4人と数えているうちに
とうとう里中とペアになった。
「よお、小川」
里中はそう言うと私の手を取った。
「う…うん」
私は緊張しすぎて訳の分からない返事をしてしまった。
「お前…手、冷たいぞ」
里中はびっくりしたように
私をのぞき込んできた。
(ち…近い…)
顔が近づいたことで
ますます私は恥ずかしくなって言った。
「いいのっ。
手が冷たい人は心が温かいんだから」
「へえ、そうなんだ。知らなかった~。
でも、俺は手は温かいけど心も温かいぞ!」
妙に主張する里中がおかしくて
私は踊っている間ずっと笑っていた。
そこで私は目が覚めた。
彼の手のぬくもりを思い出し
私は両手を胸に抱きしめた。