君とこんぺいとう
私は里中にマンションまで送ってもらった。

(こういうときは
「部屋でお茶でも」とか言うべき…?)

マンションが近づくと、色々考えていた私はだんだん無口になった。

「小川?どうかした?」

私の不自然な沈黙に気付いた里中が心配そうに聞いてきた。

「う…ううん。何でもない。ちょっと考え事…」

私は焦って答えた。

マンションの前まで来ると里中は言った。

「週末一緒に出かけないか?」

里中の誘いに私は胸が躍った。

「うん!」

「じゃ、行きたいところ、考えといて」

里中はそういうと微笑んだ。

「今日は疲れただろうから、早く休めよ。さ、中に入って」

「う…うん。ありがとう。おやすみなさい」

散々考えた割には「お茶でも」の一言を言う勇気もタイミングもなく
私はマンションの前で里中と別れた。


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