君とこんぺいとう
ランチから戻って気をつけて見ていると
加奈子の言ったことは本当だった。

里中の周りは、やたらと女子の出没率が高い。

社内便をわざわざ届けに来る子
やたらと話しかけに来る子。
違う課なのになぜかうちのフロアにいる子までいた。

(かわいい子、いっぱいいるのに…)

なんで私なんだろう。

そんな疑問がどうしても頭の中から消えなかった。

私がぼんやりとパソコンの画面を見ていると
メールを受信していることに気づいた。

受信メールをクリックして
思わず振り返りそうになってしまった。

里中からだった。

『何ボーっとしてるんだ?
週末、行きたいところ考えた?』

私は焦って返事を返した。

『ちょっと考え事してただけ。
週末は水族館に行きたい』

私が返事を送ると、すぐ里中からメールが来た。

『水族館か。了解。楽しみにしてる』

そんなやりとりをしただけで、気持ちが弾んだ。

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