君とこんぺいとう
お店につくと、もうみんな集まっていた。

「隼人やっと来たか。お、小川じゃん。久しぶり!」

篠崎くんは私を見て本当に驚いた顔をしていた。

「みんな、隼人と小川が来たぞ~」

高校時代より大人びた懐かしい顔ぶれがそろっていた。

「萌、こっちこっち!」

沙織は私と見つけると手招きした。

私が沙織の隣に座って隼人を見ると
彼はもうみんなに囲まれていた。

(やっぱり隼人は人気者だ)

私は仲間とじゃれあう彼の姿が見られてうれしかった。

「萌、里中と一緒に来たの?!」

「う…うん」

沙織に聞かれて私はうなずいた。

「えー、ちょっとどういうこと?」

沙織は意味深に笑いながら私を見た。

(沙織…相変わらず鋭い…)

「俺たち、いま同じ会社で働いてるんだ」

隼人は私の正面の席に座りながら言った。

「え、マジ?そうなの?」

隼人の隣に座った篠崎くんが身を乗り出してきた。

「そっか。隼人、小川と再会できてよかったな。
お前、毎年来るたびに
『小川は来ないの?』って聞いてたもんな」

篠崎くんの言葉に私は驚いて隼人を見た。

「篠崎…うるさい…」

隼人は照れたように顔を赤くしていた。

「隼人は分かりやすいな~」

篠崎くんはそういってゲラゲラ笑った。

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