君とこんぺいとう
隼人と沙織がいてくれる安心感からか
私は久しぶりに会ったクラスメートたちとも
普通に話すことができた。

沙織はこっそり私に隼人との関係を聞いてきた。

「ねえ、もしかして里中と萌ってさ…」

「…うん、付き合ってる」

沙織は目を見開いて
必死で声を抑えながら喜んでくれた。

「よかったね!萌も里中のこと好きだったもんね。
やっぱり、私の言ったとおりだったでしょ?
里中も萌のことが好きだって」

「沙織、ありがとう」

私は沙織が喜んでくれたことがとてもうれしかった。

「隼人~」

私と沙織が話していると
甘ったるい声の主が隼人の隣の席に座った。

高校時代から隼人をただ一人呼び捨てにしていた人物だ。

「高島、久しぶり」

隼人は横に座った高島洋子をチラッと見た。

「去年の同級会でメアド交換したのに
隼人ってば、メールくれないんだもん。
私がメールしても返事もそっけないし」

洋子は隼人にぴったりくっつくようにして話しかける。

(ち…近い…)

近すぎる2人の距離になぜか私がドギマギした。

「ちょっと、洋子近いって。
あんた、もう酔ったの?」

私の様子を察知した沙織が洋子に言った。

「酔ってないわよ。ねえ、隼人。
今度映画でも見に行かない?」

「高島、お前、毎年そういうこと言ってるよな」

篠崎くんは洋子に苦笑した。

私は洋子と篠崎くんの言葉に少しショックを受けていた。

(毎年…。しかもメアドまで交換してたとは)

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