君とこんぺいとう
私は何て言っていいのか分からず、隼人を見た。

「ごめん…、なんか言いづらくて」

「うん、分かってる」

隼人は私の手を引いて抱きしめた。

「でも、俺、いますごく妬いてる」

いつもより強く抱きしめられた。

「萌を誰にも渡したくない」

耳元でささやかれた言葉に胸がキュンとした。

「隼人…」

隼人は私を見下ろすと唇を重ねた。

だんだん深く激しくなる口づけに私は戸惑った。

いつもと違う少し強引なキス。
こんなキスは初めてだった。

やっと唇を離すと隼人は言った。

「ごめん…
今日は俺、自分が止められない」

隼人の目を見て
彼がどれほど自分を思ってくれているかを感じた。

「隼人、今夜は一緒にいて」

自分でも驚くほど自然に出た言葉だった。

隼人は私の言葉に目を見開いた。

「…いいのか?」

恥ずかしくなった私は
彼に抱きつくとうなずいた。

隼人は私を抱き上げてベッドまで運ぶと
額そしてまぶたにそっとキスをした。

何度もキスをされて
私は体の力が抜けていった。

彼の手が服の上から私の胸に優しく触れる。

「…あっ…」

少し触れられただけなのに声が漏れ
隼人の指の動きに私の体は敏感に反応していく。

「隼人…んっ…」

「萌、好きだ…」

そう言って私を抱きしめる隼人の体が熱い。
私は潤んだ瞳で隼人を見つめた。

「私も…好き…」

誰かの体温をこんなにも心地よく
愛おしい思ったのは生まれて初めてかもしれない。

彼のすべてを受け入れた私は
そうすることが当たり前で一番自然なことだと感じていた。

隼人の体温、隼人の唇。

彼の存在が不器用だった私の心を完全に溶かした夜だった。

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