君とこんぺいとう
「隼人、今日もしかして不機嫌だった?」

私の問いに隼人が固まったのが分かった。

「隼人…?」

「俺、そんなに顔に出てた…?」

気まずそうに隼人が言う。

「なんとなく不機嫌そうだなと思っただけだけど」

ソファにもたれて天井を見上げると
隼人は溜息をついた。

「萌があいつに誘われてるの見たからだよ」

私を見ると、ふっと笑った。

「やきもち焼いたんだ」

その言葉に顔が熱くなる。
たぶん今の私はトマトみたいに真っ赤だ。

「ちゃんと断ったよ」

「うん、知ってる」

隼人はそういうと私を抱き寄せた。

「俺、最近やきもち焼きなんだ」

彼を見上げると目が合った。

「萌がかわいくて、他の男が寄ってくるのが心配だし」

「そんな心配いらないのに」

「心配だよ。萌は最近ますますかわいい。
社内の男どもの間でも人気なんだからな」

「私が隼人と付き合ってるのはみんな知ってるし…」

「彼氏がいても、かわいい花には虫が寄ってくるんだよ」

隼人はそう言うと、ぎゅっと私を抱きしめた。

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