君とこんぺいとう
私は台所でコーヒーを淹れながら
ソファに座る茜さんを見た。

年は私たちより4つ年下の23歳。

体が弱く就職はしていないらしい。

(かわいい人…)

色白で目のぱっちりした顔立ちの彼女が
隼人に笑いかける。

「隼人に彼女がいたなんて知らなかった」

隼人は私と視線を合わせると微笑んで言った。

「萌は同じ会社なんだ。
高校でも同じクラスだったんだ」

「ふーん」

茜さんはコーヒーを持っていた私を見ると
またすぐに隼人に視線を戻した。

「ねえ、隼人。
しばらくこっちにいるからいろいろ案内してよ」

「お前…俺、仕事で忙しいんだからな。
昔みたいに付き合ってやれないぞ」

隼人は困ったように茜さんを見た。

「土日とか休みでしょ?
久しぶりなんだからいいじゃない」

頬を膨らませる彼女は素直でとてもかわいく見えた。

「ダメ。俺、土日は萌とデートだから」

私は突然自分の名前が出て、我に返った。

「あ…あの、私のことはいいから付き合ってあげて」

私がそう言うと茜さんはうれしそうに言った。

「萌さん、ありがとう!ほら、隼人。
彼女の許しももらったから、さっそく今週からね」

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