君とこんぺいとう
茜さんが現れた日から
私は週末一人で過ごす時間が増えた。

それまで隼人とずっと一緒にいた私は
一人だと時間をもてあました。

（隼人と付き合う前って、週末何をしてたんだっけ？）

思い出そうとしても、思い出せない。

それくらい隼人といることが
当たり前の日常になっていた。

夜はうちに来ると言っていた隼人のために
私はいつも夕飯を作って待っていた。

最初のころは夕方になるとうちに来ていた隼人だが
そのうち夕飯の時間まで茜さんに付き合わされ
うちに来るのは夜遅くになるのが定着していた。

「ねえ、隼人」

その土曜日も
夜１０時を過ぎてからうちに来た隼人に私は言った。

「遅くなったときは
無理して来なくてもいいよ。疲れちゃうでしょ？」

私の言葉を聞いて
ソファでうとうとしていた隼人は
ハッとしたように起き上がった。

「ね、茜さんと会ったときは家で休んで。
毎週これじゃ、クタクタでしょ？
家でゆっくり休まなきゃ」

「萌のそばが一番休まるから」

そう言って、隼人は子供みたいに私に抱きつく。

「隼人。苦しいよ」

「充電中だから、ジッとしてて」

私はジッとして彼が離れるのを待った。

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