君とこんぺいとう
「病院に行くとさ、色んな人がいるんだ」

隼人はソファにもたれかかると
遠くを見るような目をした。

「茜も入院生活が長引いてて
だんだん参ってきてるから
できるだけ顔出してやらないと」

私は少し疲れたような隼人を抱きしめたくなった。

「隼人」

「ん?」

「私を頼ってね」

隼人は驚いたように私を見た。

「一人で頑張るなって前に言ってくれたでしょ?
だから隼人も一人で頑張らないで」

私がそう言うと、隼人は目を細めた。

「うん、ありがとう」

隼人は私をぎゅっと抱きしめた。

「最近ずっと萠不足だったから、充電!」

「私も」

久しぶりのぬくもりに私も甘えるように寄り添った。

< 67 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop