君とこんぺいとう
隼人が戻ってくるころには
茜さんはすっかり落ち着いていた。

「萠さんに言いたいこと言ったら
なんだかスッキリした」

そう言う彼女とは反対に私の心は暗く沈んでいた。

隼人と別れるなんて考えられない。
隼人なしの生活なんてあり得ない。

私の頭の中は混乱してぐちゃぐちゃだった。

「萠?」

隼人に呼ばれたことにも気づかなかった。

「どうかした?」

私はハッとして隼人を見た。

「…何でもない。少し考えごと。。。」

「顔色が悪いぞ。色々頑張りすぎて
疲れてるんじゃないか?」

「萠さん、お仕事忙しいの?」

茜さんの問いに隼人は私に微笑みながら言った。

「萠は仕事だけじゃないんだ。
プライベートもヨガ始めたり
料理の腕を磨いたりしてるんだぞ。
俺と会える時間が少なくなっても
ちゃんと自分の時間を充実させてる。
俺の自慢の彼女だよ」

「ふうん、隼人なんていなくても
萠さんは大丈夫よね、きっと」

茜さんは探るように私を見た。

(…ひどい。そんな言い方しなくても。)

私は彼女と同じ空間にいるのが
だんだんつらくなってきていた。


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