君とこんぺいとう
昼食後、茜さんは疲れたようで
隼人のベッドで横になっていた。

茜さんの気持ちを知った今
彼女が隼人のベッドで寝ていることに
私は複雑な気持ちでいっぱいだった。

「萠、やっぱり顔色が悪いぞ」

ソファで隣に座った隼人は私を心配そうにのぞきこんだ。

「隼人…聞いてもいい?」

「何?」

私は恐る恐る聞いた。

「茜さんの病気って良くならないの?」

隼人は小さく息をつくと言った。

「移植手術をすれば良くなるらしいけど、ドナーが見つからないんだ」

「そう」

うつむいた私の手を隼人は握った。

「萠が落ち込むことないだろ。
でも茜のこと心配してくれてありがとう」

隼人にそう言われて、私は顔が上げられなかった。

私は茜さんの病気が良くなるなら
彼女の頼みを断れると思っていたのだ。

(隼人、そうじゃないの。
私は彼女を心配してるんじゃない。
自分のことしか考えてないの)  

本当は彼女の頼みなんて
すぐにでも断りたかった。
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