君とこんぺいとう
「とりあえずなんか食べよう」

やっと泣き止んだ私を
田代くんは会社近くのお店に連れていった。

「この店、結構穴場なんだよ。
ここなら落ち着いて話せる」

田代くんは気を使って
色々と食べ物も頼んでくれた。

「その様子じゃあまり食べてないだろ?
今日はちゃんと食べるまで帰さないぞ」

そう冗談めかして言うと、彼は私に微笑んだ。

「で、何があった?」

話していいものかどうか迷っていると
田代くんは言った。

「俺、こう見えて口は固いんだ。
誰にも言わないから安心してろよ」

「そう言えば、加奈子も言ってた。
田代くんは軽そうに見えるけど
信用できるって」

「軽そうって何だよ。失礼だなぁ。
俺は真面目だぞ。一途だし」

すねたように言う田代くんがおかしくて
私は思わず笑ってしまった。

「久しぶりに笑った顔見たかも」

田代くんは笑う私を見て目を細めた。

「そうかな」

「ああ。最近ずっと眉間にシワ寄せてた感じ」

運ばれてきた料理を食べながら
田代くんは私に話すよう促した。

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