君とこんぺいとう
何時間そうやって仕事をしていただろう。

「小川」

田代くんに呼ばれて顔を上げると、窓の外は薄暗くなっていた。

「俺、そろそろ帰ろうかと思うけど。
そっちはまだ終わらない?」

もともと急ぎの仕事をしていたわけではない私は返事に詰まった。

「仕事終わるなら、どっかで飯食ってかない?
このままだと、腹減りすぎて家までたどり着けないかも」

大げさな田代くんがおかしくて私は少し笑った。

「うん…。じゃあ私も帰ろうかな」

帰り支度をしてふとバッグの中の携帯を見ると
着信履歴とメール着信の表示があった。

どちらも隼人からだった。

私はそれを見なかったことにして田代くんと会社を出た。

「何食べたい?」

「田代くんの食べたいものでいいよ」

「マジで?じゃあ、焼肉に決定!」

そう言って、田代くんは会社から2駅電車を乗ったところにある
韓国焼肉の店に私を連れて行った。

「小川さ、何かあった?」

席に座って飲み物を頼むと、田代くんはおもむろに聞いてきた。
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