君とこんぺいとう
視線を感じて顔を上げると
田代くんが私を見ていた。

「あの…」

「何?」

「そんなに見られてると食べづらい」

私の言葉に田代くんはニヤッと笑った。

「なんで?俺のこと意識しちゃった?」

「そうじゃなくて…」

私を見る田代くんの優しい微笑みが
一瞬隼人に似ていて胸が痛んだ。

「冗談だよ。無理しなくてもいいいけど
食べられるだけちゃんと食べろよ」

「うん。分かった…」

私はなぜだか泣きたくなって
それを隠すように黙々と食べ続けた。


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