甘口恋愛
転入してきて1週間―。


クラスのみんなにもなれてきて、学校では

毎日、彩乃と一緒にいることが多かった。

ただ、隣の席の「三浦遥馬」くんだけは、

まだ一度もしゃべったことがない。

遥馬くんは、とてもモテる。

だけど、気どってなくて、無口でクールな

所が彼の魅力だと思う。


「ねぇねぇ~。彩乃~。」

「何?」

「遥馬くんってさぁなんでいっつも、無口

 なのかなぁ。」

「う~ん。特に理由は、ないんじゃないっ!?

 ただ、1人が好きなんだよっ!」

「そっか。」

「なんで~っ!もしかして、遥奈

 気になってるんだぁ~っ!?」

「そんなんじゃ、ないよっ。

 ただ、あんなにかっこぃぃのに

 なんか、不思議だなぁ~。と思ってっ!」

「なーんだぁっ。つまんないなぁ~。」

「つまんないって・・・。

 なにがだよぉ~っ。」


確かに、かっこぃぃとは、思うけど、

今の私には、遥馬くんに対する

好きと言う感情なんてぜんぜんなかった。


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