空―君カラノ贈リモノ―
プロローグ



『お母さんはまだお父さんのこと好き?』

私の前でそう聞いてくる女の子。

『うん。大好き』

私の大事な娘。

『お母さんはお父さんとどんな恋をしたの?』

『知りたい?』

私がそう言うと、空は『うん!』と強く頷いた。


『途中で泣かないのよ?』

私は意地悪っぽく言った。
『泣かないもん』


そう言って笑った空の顔は優にそっくりだった。
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