空Ⅱ
第1章

いち






「希沙ーっ!!遅刻するよ!!」

「んー…」


下からお母さんが叫んでいるのが聞こえる。


眠い…。

あとちょっとだけ…。


モゾモゾと布団にくるまる。




バタバタ…!!

バンッ!!


騒がしく階段を駆け上がってくる音と思いっきり部屋の扉が開けられた音がしたかと思うと…。



「起きろっつーのっ!!!!」


バッ!!

布団を剥ぎ取られた。





「なにすんだよ!!」



布団を取った人を思いっきり睨む。


「ああ"??」

「…すいません。起きます」



睨んだのはものすごい怖い顔をしたお母さんだった。

もぉそりゃ般若みたいな顔でしたよ!!



「ったく…早く降りて来なさいよー」


「んー…」



そう言って部屋を出ていくのを見届けてから、思いっきり伸びをして制服に着替え始めた。







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