空Ⅱ
2人に連れられて、初めて黒松の学食に来た。
パーカーでできるだけスカートの柄を隠して、顔もできるだけ隠しながらね。
「俺のオススメはな、唐揚げ丼‼」
「俺はー…日替わりランチやな」
食券を売ってる自販機があって、その前でオススメを聞かされる。
「そうか、じゃあうどんで」
「え、なんで⁈」
「金ないし」
うどんが1番安いからね。
「俺が奢ったるわ…」
「マジ⁈やったー‼」
大和が眩しく見える‼
「その代わり、唐揚げ丼な」
「うん‼大和太っ腹ー‼ありがとー‼」
「ついでに日替わりランチもー」
横から祥が割り込みながら頼んできたけど…
「お前には奢らん」
「ケチー‼」
バッサリ。
大和に断られた祥は口を尖らせながら、自分で食券を買っていた。