空Ⅱ
「おばちゃーん、よろしく」
大和がおばちゃんに食券を3人分渡す。
「はいよー‼って…あらっ‼大和ちゃん、女の子⁈」
大和ちゃん…‼
ちゃん‼
おもろ‼
つか、元気なおばちゃんだなあ…。
「えー…はい、まあ。多分」
「多分ってなに、多分って」
睨んでやったら、視線を思いっきりそらしやがった。
「大和ちゃんの彼女⁈」
「「違います」」
あ、ハモった。
「あ、祥ちゃんの⁈」
「「違います」」
あ、祥ともハモった。
「そお⁈まあ、ちょっと待っといて。すぐ持ってくるわー」
「ありがとうございます」
なんでかわからないけど、嬉しそうなおばちゃんが中へ入っていった。
さてと…
「大和⁇私って女の子よね⁇」
「っ…はい。とっても可愛らしい女の子だと思いますっ!」
「うん、よかった」
え、なに⁇
脅し⁇
そんなことしてないよー‼
「はいっ‼お待ちどうさま‼唐揚げ丼ふたつと日替わりランチねー‼」
「ありがとー」
あの元気なおばちゃんから頼んだ物を受け取り、座れそうな所を探す…と思ったら、2人ともどこかに向かって歩き始めた。
しかも空いてる席なんかなさそうな方に向かって。