空Ⅱ
三人が出て行けば、気まずい空気が流れる。
…さっさと帰ろ。
「…んじゃあ、新しい総長は「ちょっと待ってください‼」
私の言葉を遮ったのは、下を向いたままの羅羽。
「…何⁇」
私の返事は自然と冷たいものになってしまう。
だって、一応こいつらにも怒ってるんだし。
「…総長、辞めないでください…‼」
「は⁇」
顔を上げた羅羽は、少し涙目になりながらも強く、私の目をみた。
「あのさ…あんたらが私の言葉、一個も信じなかったんじゃないん⁇」
「それは…本当にすいませんでした‼」
羅羽を筆頭に、他の奴らもすいませんでした、と言いながら頭を下げてくる。
そんな中、優が私の前に立った。
「希沙…。俺があいつを空牙に入れたから…。希沙が理由もなく嫌がるわけないのにな。ごめん…‼」
そして、思いっきり頭を下げてきた。
はぁ…とため息をついてから、私は話し始めた。