空Ⅱ
次の日の朝。
「梓、来ないな…」
私は美佳と悠真と自分の席で話しながらも、カバンのない梓の席の方を見ていた。
寝坊かな⁇
梓はなんだかんだ寝坊とかしないんだけどな…。
「希沙、どうしたの⁇」
ボーッとしてる私を心配そうに見る、美佳。
「いや、梓が来ないなー、と思って」
笑顔を作って答えても、美佳は心配そうな顔で続けた。
「寝坊してるんだよ、きっと」
「そうかな⁇」
「多分ね。電話してみたら⁇」
美佳が笑顔で言った言葉にハッとした。
「そっか、電話すればいいんだ‼︎」
思い立ったら即行動!
ポケットからケータイを取り出して、梓に電話をかける。
でも、プルルル…という機械音が耳に届くだけで、梓の明るい声はいつまで経っても聞こえなかった。
結局この日、梓に会うことはなかった。