空Ⅱ
今日は梓に会えますように。
次の日にそう思って家を出ると、知らない男が家の前に立っていた。
黒のパーカーに黒のズボン、黒の靴。
黒ばっか。
少し見える中のTシャツが白なのと、フードから金髪がちょっと出てるくらいで他は真っ黒。
しかも、すごい睨んでくる。
「…何か⁇」
不審そうな目で相手を見ながらも一応、聞いてみた。
「…坂本希沙か⁇」
男は悠真より少し低い声でそう言った。
「…お前、誰⁇」
私の名前を知ってるってことは、多分族関係だろうけど…。
「俺は、羽雲 龍(Hagumo Ryu)や。関西1の族、影虎の総長」
「関西の総長さんが、何の用ですか⁇」
「梓」
「…梓⁇」