空Ⅱ
羽雲と名乗った男は、私を睨んだまま続ける。
「お前、梓のことかくまってるやろ」
「…はあ⁈」
何言ってるんだ、こいつ。
「はよ梓出せ、ゆうてんねん!」
「ちょっと待って。私、梓の居場所知らないけど」
「舐めたこと言ってくれるなあ、おい」
羽雲は睨みながら近づいてくる。
別に怖くないから逃げないけど、さすがにちょっとムカついてきた。
「…梓はどこや」
「てめぇは梓の何だよ」
急に殺気が出始めた私に、少し驚いた顔をしてからまた睨むような目を向けてきた。