空Ⅱ
「梓は俺の女や。返してもらおか」
「自分の女なら、自分で探せよ。私は梓をかくまったりなんかしてないからね」
「てめぇ…」
怒ってきたのか、苛立ったような声が聞こえた。
「あんまり調子に乗っとったら…痛い目みるぞ」
「…あんたに負ける気なんて、サラサラしないけど」
「…いい加減にせぇや‼︎」
ビュンッと拳が私に向かってくる。
けど、その拳はパシッと受け止めてやった。
「なっ…‼︎」
「腹、ガラ空き」
拳を掴んだまま、ガラ空きの腹をグーで殴ってやった。
「うえっ…!」
羽雲は吐きそうになりながら倒れていった。