空Ⅱ
「わ…。もう真っ暗だねー」
カラオケボックスから出ると辺りはもう真っ暗だった。
「そうだね」
「帰ろっか」
くるっと後ろにいる美佳を見てビックリした。
「え…??美佳…??」
だって…
刃をこっちに向けたナイフを持ってたんだもん。
そして美佳が怪しく笑った。
「あんたがいるから…。あんたがいるから!!ずっと私は二位なんだ!!勉強も!!運動も!!男だって!!全部二位!!あんたさえいなければ!!」
それだけ言うと、ばっと襲いかかってきた。
なんとか避けて逃げたけど、避けきれずに腕を切った。
「っ…!!」
涙が溢れて…目の前がぼやけていく。
痛い…。
腕よりも…心が。
いつも笑ってくれてたのに…。
あれは嘘だったの…??