空Ⅱ
「まあいいわ。梓と美佳、返してもらうよ」
「そっちの女はどうでもええけど、梓は俺のとこに戻ってくるんや」
そう言って、梓の腕を引っ張る。
「なっ‼︎離せや‼︎汚い‼︎」
「うるせぇな!だまれ!」
腕を振りほどこうとする梓とそれを怒鳴る羽雲。
私はため息を一つついてから、話しかけた。
「嫌がってんだし、離してあげてくんないかな?」
「うるっさいねん‼︎お前は黙っとけ‼︎」
イラッ…
「離せっつってんだよ」
私は近づいて行って、梓を掴んでいる羽雲の腕をグッと握った。
握力には自信ありますんで、私。