空Ⅱ
「いっ⁈」
痛かったらしく、顔を歪め、掴んでいた腕から力が抜けた。
「汚い手で梓に触ってんじゃねえよ」
睨みながら、掴んでいた手を離した。
「おまっ…何もんや‼︎」
掴んだ所を抑えながら、ギャーギャー騒ぐ。
うるっせぇなあ。
私は少し離れたところで腕を組んだ。
「ただの女子高生ですけど」
「嘘つけ‼︎ただの女子高生がこんなに握力強いわけあるかあ‼︎」
「あーもー、うっせえな。黙れや」
「てめぇ…」
ギリギリと握りしめた手が見えた。
あー、そろそろくるな。