空Ⅱ
殴り返すのも面倒くさくて、ただ避けていた。
「避けるだけかよ‼︎ホンマは弱いんやろ」
ギャンギャン吠える奴は、嫌い。
「黙れ」
ドカッ…
「うぐ…っ⁈」
バキィ…
一発目で腹を殴り、突き出てきた頭を思いっきり殴った。
地面に寝転がっている羽雲を見下ろす。
「なめてんじゃねぇよ」
「く…そ」
まだ喋れんのか。
そこそこやるな。
「さて、悠真も来たみたいだし。帰るよ」
視界にとらえていた悠真を見て、梓と美佳を連れて公園を後にした。