空Ⅱ




「強くなくったっていいのに…。そばに居てよ…龍…」




うちらしくない、弱々しい声。


うちが、強くならなきゃ。





しばらく青い空を見上げていたけど、少し寒くなってきたので教室に戻ることにした。







「あっ‼︎梓‼︎」






教室に入れば1番に駆け寄ってくる藍。







「どうしたん?」



「ちょっと…」






少しめんどくさくなりながらも、聞いてみると、どこか気まずそうな顔をして辺りを見回してから、廊下に連れ出された。








「あのな、さっきトイレから帰ってくる時に空き教室で話してる人の声聞こえたんやけど…」




そこで一旦言葉を止めると、チラッとうちを見て続けた。






「龍くん、梓のこと遊びやと思ってるみたい…」









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