空Ⅱ
「は⁇」
思わず出た声も気にせず、藍はまた話し始めた。
「なんか…たぶん影虎の人らやと思うんやけど、龍くんに梓の事聞いてたんよ。そしたら、あぁ…アイツは本気じゃないしって…」
龍が…⁇
じゃあ…あの笑顔も、お前のために強くなるって言葉も、嘘⁇
それとも、藍が嘘をついてるの⁇
うちは、何を信じたらいいの⁇
黙っているわけにもいかないので、とりあえず口を開いた。
「教えてくれてありがとう」
「梓…大丈夫⁇」
藍が眉を下げて、心配そうにうちを見る。
「大丈夫」
そう短く答えると、教室へと戻った。
藍が怪しく笑っているのにも気付かずに…。