空Ⅱ
退院してから…私はよく夜の街に出るようになった。
「あれ~??君、かわいいねー!!1人??遊ばない??」
そう言って腕を掴んでくる奴がいた。
「…せ」
「えー??なんて??どこいきたい??」
「離せって言ってんだよ!!」
ばっと捕まれていた腕を振りほどいた。
「てめぇ…!!」
相手が殴ってこようとしたのを避けて、顔面を思いっきり殴った。
「う"…」
初めて人を殴った。
手に変な感覚が残る。
人を殴った手を見ていると、ジャリッという音と共に数人の男が出てきた。
1人だと思っていたのに…。
「てめぇ!!調子のってんじゃねえぞ!!」
なんて叫びながら一斉に殴りかかってきた。
「調子にのってるのはどっちだよ…」
地面に伸びている奴らを見下げながら呟く。
数分後、私は全員を気絶させていた。
…手にはやっぱり変な感覚が残る。
「チッ…」
気分がいいもんじゃねえな…。
服についた返り血も気にせず、また街を歩き始めた。