空Ⅱ
「しばらく静かにな」
シーッと人差し指を口の前で立てて言ってきた。
まあ、いっか。
「さっきの女はお前の女やろ?」
一番偉いんだろう、ツンツン頭の人が龍に話しかける。
「さっさとお前捕まえて目の前であの女をいじめたるわ」
ツンツン頭がニヤッと笑うと、龍は鼻で笑って言った。
「あんな女、俺の女ちゃうわ。ただ喧嘩楽しむのに邪魔やったから逃がしただけや。俺の目の前でいじめようがなにしようがどうでもええ」
…龍?
「ほら、さっさと始めようや」
怪しげに笑った龍の顔を見ると、うちは涙が目に溜まり、厳つい人達は龍に襲いかかった。
「え、ちょ、泣かんといてや」
隣の金髪男はうちの目に涙が溜まってるのがわかると、急に慌て始めた。
「うぅー…」
「ちょっ…!」
そんな焦ってる金髪男なんか気にせず、うちは泣いてしまった。