空Ⅱ
「しゃあない…ちょっと歩くで?」
金髪男の困ったような声に頷き、その場から離れた。
「ほら。大丈夫か?」
「うん。ありがと…」
連れて来てくれたのは近くの公園。
ベンチに座ると、自販機でジュースを買ってきてくれた。
「あれは、あんたを守るための嘘だと思うけど」
「…最近、そういう話を聞いたからさ。なんかこう…ブワッときたんだよ」
隣で励ましてくれる金髪男に笑いかけた。
「…俺は中野 海里(Nakano Kairi)。あんたは?」
…いきなり名前?
「姫川、梓。中野海里って龍の味方なん?」
「フルネームて…。海里でいい」
「んじゃあ、海里。龍の敵?味方?」
「んー…中間?」
ニコッと笑って答えてくれた。
…中間。