空Ⅱ
「俺はある人に頼まれて、羽雲と夜闇の情報を集めてんの」
「へぇー」
「族に入ってないっていうのは動きやすいからな」
族に入ってない…か。
隣でお茶を飲んでいる海里をジッと見つめた。
「ん?」
視線に気づき、不思議そうに見ている海里。
…頼んでみようかな。
「あのさ…うちに喧嘩、おしえてくれやん?」
「え、喧嘩?」
「うん、喧嘩」
「ええけど…怪我しても文句言うなよ?」
「うんっ!ありがと!」
困ったように笑った海里にうちは満面の笑みを返した。