空Ⅱ
それから海里は毎日のように喧嘩の仕方とかを教えてくれた。
拳の握り方から弱点まで色々。
強くなれている気がして嬉しかった。
そんなある日。
放課後、藍が先生に呼ばれたとかで1人で帰っていた。
途中でケータイを学校に忘れて来たことに気づいて引き返すことに。
ケータイなかったら海里と連絡取れやんし。
やっと教室の近くに着いたとき、藍の声が聞こえてきた。
他に2人くらいいるみたい。
そして、教室に入ろうとした時…
「あいつ、まだ龍くんと別れやんのかよー」
「藍のほうが絶対釣り合ってるのにな!」
「まあまあ、この前夜闇の奴に顔覚えさせたし?そのうち別れるやろ」
「うわー、藍怖っ‼︎」
キャハキャハと笑う声が頭に響く。
夜闇…ってこの前海里が言ってた…。
『夜闇の奴らは汚いから、近づくなよ。なんかあったら俺に連絡しろ。わかったな?』
って。
とりあえず、海里に連絡しなきゃ。
ガラッと教室のドアを開ければ、気まずそうな顔をした3人がこっちを見る。
そんなことは気にせず、ケータイをとって教室を出た。