空Ⅱ
海里に電話…。
呼び出し音がすごく長く感じた。
「梓ー?どないした?」
「海里…1人、いや。迎えにきて」
「おう。待っとけ。速攻行ったる」
電話がプツッと切れると、うちの溜まっていたものも我慢しきれなくなった。
頬にツーッと涙が伝う。
藍が裏切るってうすうすわかってたはずやのに。
実際に言われるとツラい。
龍もよくわからんし。
海里は…信じても大丈夫?
「梓、帰ろう」
1人で校門の前でうずくまっていてもわかる声。
今、1番安心できる人。
コクッと頷くと、ヘルメットを被せてからバイクの後ろに乗せてくれた。
「しっかり捕まっとくんやで?」
ギュっと海里のお腹のあたりの服を掴むと、ゆっくりとバイクが発進した。