空Ⅱ
「どうかしたんか?」
また、初めて話した公園のベンチでジュースを渡してくれた。
うちは一口飲むと、ゆっくり話した。
「夜闇…か。めんどくさいな…」
「誰がめんどくさいってー?」
ジャリッと足音がしたと思うと、20人くらいの人がいた。
「…夜闇」
ボソッと目つきが怖くなった海里が呟く。
「よお、中野海里。羽雲の女とデートですかー?」
「てめえこそ、むさ苦しい男いっぱい連れて。何の真似や?」
いつもより低い声の海里。
「今日はこの女に用事があってなあ…」
チラッと偉そうな奴がうちを見たけど、すぐに海里と向き合った。
「でも…お前を潰してからに変更や‼︎」
ビュッと拳が風を切る。
海里は素早く避けて反撃する。
そんな間に、うちは夜闇に捕まりそうになる。
でも…
「うちは、強い」
そう呟いてから、初めて喧嘩をした。