空Ⅱ
「…俺、梓がおらんくなってすぐにアイツに会いに行った。アイツなら情報屋やから知ってると思って」
龍は赤い空を見上げて、思い出すように話し始めた。
「行ったら、まず殴られた」
「え⁈」
へへッと笑って続ける。
「お前、強くなって守るって言ったんやろ⁈守るのに変なウソついてんちゃうぞ‼︎そのウソのおかげで梓がどんだけ傷ついたと思ってんねん‼︎って。めっちゃキレてて、俺でも怖かった」
海里…。
「その時は、俺も逆ギレしてもたけど」
目があった龍は少し寂しそうだった。
「今なら、俺が悪かったこともわかるし。アイツがキレた理由もわかる。…ごめんな、梓」