空Ⅱ



「…俺、梓がおらんくなってすぐにアイツに会いに行った。アイツなら情報屋やから知ってると思って」





龍は赤い空を見上げて、思い出すように話し始めた。






「行ったら、まず殴られた」


「え⁈」







へへッと笑って続ける。








「お前、強くなって守るって言ったんやろ⁈守るのに変なウソついてんちゃうぞ‼︎そのウソのおかげで梓がどんだけ傷ついたと思ってんねん‼︎って。めっちゃキレてて、俺でも怖かった」







海里…。









「その時は、俺も逆ギレしてもたけど」







目があった龍は少し寂しそうだった。









「今なら、俺が悪かったこともわかるし。アイツがキレた理由もわかる。…ごめんな、梓」








< 198 / 241 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop