空Ⅱ
「いらっしゃい。海里くん」
リビングの扉を開けると、満面の笑みでお母さんが待っていた。
真矢ちゃんと悠暉くんも来ていて、ソファでお父さんと話しているのが見えた。
「お、お邪魔します」
「可愛い子ね」
ニコニコと海里を見つめるお母さん。
海里はいつもより縮こまっていた。
そんな状況が少し続いた後。
「あれ、陸と悠真くんは?」
やっと悠真達がいないことに気づいた。
「なんか、陸が相談あるとかで上に行ったよ」
「そう。じゃあ、先にはじめちゃいましょうか!」
いつもより楽しそうなお母さん。
それを嬉しそうに、愛おしそうに見るお父さん。
温かい家族だって再認識できる瞬間。
うん、私は幸せだ。