空Ⅱ
「あれがお礼だっつーの。早く大阪に帰れ」
「あー…。希沙は冷たいなあ、悠真くん」
「あー、うん、そうだな」
「悠真くんまで冷たい…」
話し合いがあって空牙の倉庫まで来ていた悠真にも冷たくされ、落ち込んだ海里。
悠真といえば…最近ボーッとしてることが多いんだけど、どうしたんだろ。
今もなんか考え事してるみたいだし…。
「海里さーん!ちょっと聞きたいことあるんっすけどー!」
「はいはーい」
この声は怜玖か。
海里もバカとはいえ、情報屋だからな。
同じ情報屋として色々聞きたいんだろ、多分。
怜玖に呼ばれて海里が幹部室から出て行ったら、静まり返るこの部屋。
…なんか気まずい。
いつもはなんかこう…フワッとした雰囲気なのに、今日は暗いというかなんというか…。