空Ⅱ
「うちな、海里のこと好きみたいやねん」
「っ⁈」
危うく食べかけの唐揚げがこんにちはするところだった…。
「か、海里⁈」
「うん」
照れ笑いを浮かべる梓はこの上なく可愛いけど。
「あの金髪野郎?」
「うん」
「え、あの海里であってる?」
「うん、あってる」
あ、この卵焼きうまっとか言いながら平然としてるけど、私は思わずガン見してしまった。
「希沙は好きな人おらんの?」
「す…きなひと…」
一瞬チラついた顔はすぐに消えた。
「好きってどんな感じ?」
「んー…側におったらドキドキするんやけど、嫌じゃなかったり。
その人の事ならなんでも知りたいって思ったり。
隣にいてるのが安心したり、かなー」
ま、人それぞれやな!って笑ってる梓はすごく綺麗に見えた。