空Ⅱ
「ん?希沙やん!」
「え!希沙⁈」
私をこの世界に連れ込んでくれた2人も私に気づいてこっちに近づいてくる。
顔、見られたくないな。
逃げようかな。
そんなことを考えていると、明杜に右腕をガシッと掴まれた。
「逃げましょう!」
「へっ⁈」
戸惑っていると腕をぐんっと引っ張られた。
「あっ‼︎こら待て!明杜‼︎独り占めしてんちゃうぞー!」
前を走る明杜について走っていると、うしろからすごい声が聞こえてくる。
「いいじゃないですか、たまにはー!」
「あかんわ‼︎俺の希沙やー‼︎」
「違う!俺のや!」
いや、誰のでもないし。