空Ⅱ
さん
あの事件から2週間。
悠真は至って普通。
私はモヤモヤを抱えたまま過ごしていた。
この日。
私は1人で人気のない夜の道を歩いていた。
倉庫からの帰り道、少し遠回りをしていたから。
「坂本希沙…」
後ろから殺気の含まれた声が聞こえた。
「…最悪」
振り返らなければよかった…。
目に入ったのはたくさんのガラの悪いお兄さんとお姉さん。
「No.1の座、我ら死水に譲ってもらいます」
先頭に立っている男がニヤッと笑った。
「今、私さ…機嫌が悪いんだよね」
1度俯いてから、殺気を含んだ目で見直す。
「ただで帰れると思うなよ…」