空Ⅱ
数分後、私は数百人の倒れ込んだ人の真ん中に立っていた。
「相変わらず、弱えー…」
返り血の付いた服が月明かりに照らされる。
今日は星が綺麗だな…。
そんな夜空を見て油断していた。
ジャリ…ッ
「⁈」
音に反応したけど、ナイフを持って突っ走ってくる奴を躱すには間に合わない。
「くそっ…!」
咄嗟に目を瞑って身構えたけど、痛みはやってこなかった。
「ったく…油断してんじゃねーよ…」
「悠…真」
そっと目を開ければ、ナイフを持った男の手を捻り上げている悠真がいた。