空Ⅱ
腕を少し緩めると私の顔を見て続けた。
「父さんの妹。
ずっとアメリカに居たんだけど、少しの間日本に帰りたくなったらしくって。
希沙が見たのは買い物に付き合わされてる所だな」
「そんな…」
ずっと勘違いしてたって事?
恥ずかしっ!
「…妬いてくれたんだ」
「ニヤニヤするな、バカ」
恥ずかしくなって顔を背ければ、またギュッと抱きしめられた。
「ね、希沙。一生離さないと思うけど、俺と付き合ってくれる?」
「うんっ」
フッと腕の力が緩んだと思うと、嬉しそうな笑顔を向けてくれた。
そして私にそっとキスをおとした。
唇が触れる寸前の言葉。
私の頭の中できっと何度もリピートされるだろう。
“大好き”
fin.