空Ⅱ
「とりあえず、俺の部屋行くか」
「っ…ん。ごめん…」
人様のお家の玄関で号泣してしまった…。
それなのに、なにも聞いてこない悠真はやっぱり優しいな…。
悠真の部屋に入って、適当な場所に座った。
しばらく経ってから、私は口を開いた。
「あのね…」
悠真にならなんでも話せるから。
「私…アイツらに話す勇気ないんだ」
こんな総長…。
あり得ないよな…。
「…大丈夫。いつか話せるだろうし、誰にだって話せないことくらいある。だから…ゆっくりでいいんじゃないか??」
優しく笑いかけてくれる悠真にもう一度抱きついた。
ポンポンと優しく背中を叩いてくれるから、また涙が出てきた。
ありがとう…。
いつか…空牙のやつらにも話すから。
もう少し時間を下さい。