空Ⅱ
嫌な予感は当たってしまった。
「あー…アイツか」
優はそれだけ呟くと、興味なさそうにまた雑誌へと目を戻した。
「ま。空牙にいてるんなら…信用できるしな」
その向かい側のソファーに座って居た怜玖も笑いながら、おめでとうなんていってる。
なんで…
なんで…羅羽を巻き込むんだよ…!!
そんな中私は1人、複雑な思いで足の上にあった手に力が入った。
羅羽を傷つけたら…絶対に許さない…。
今すぐにでも、別れさせてやりたいけど…
少しだけ…羅羽にかけてみたい。
羅羽が美佳を楽しそうに笑っていた、あの時のように戻してくれるかもしれない。
だから…。