空Ⅱ
「なんか…疲れた」
教室までの廊下を歩きながら呟く。
手、一切使わずに勝っちゃったよ。
「あ!!希沙さん!!」
「んー??」
声のした方を向くと、金髪の男の子が。
「お疲れさまでした!!」
「おう!!ってか…さん付けやめろって…。幹部なんだからさ」
「えっ…あっ…はい」
「敬語もいらない」
「はっ…はい…!!じゃなくて…うん」
「よっし!!」
私に話しかけてくれたかわいいこの男の子は、黒咲羅羽(クロサキ ラウ)
この前幹部に上がった子。
ちょーかわいいの!!
「んじゃ…羅羽。また後でな」
「うん!!」
羅羽の頭をぐしゃっと撫でてからまた教室へと向かった。
羅羽の最後の笑った顔とか、もはや犯罪だよな…。なんて考えながら。