空Ⅱ
「っと、もう行くわ。ごちそうさま」
時計を見れば、いつも家を出ている時間だった。
飲んでいたストレートティーを飲み干して、カバンを持つ。
「事故らないようにね⁇学校で喧嘩するんじゃないよ⁇」
「わかってるよ‼」
「だめだ、今日は心配だわ…」
お母さんはいつもはこない玄関先まで来て、色々言ってくる。
…心配しすぎだろ。
「いってきます」
「気をつけんのよ⁈」
「はあい」
お母さんの言葉を背中で聞いて、バイクを出し、学校に向かって発進させた。
まあ…今日は嫌な感じするから、気をつけよう。
決して早起きしたからとかじゃないけど‼
無事に学校に着き、靴を履き替えようと下駄箱を開ける。
「…んだこれ」
入っていたのは、紙くず。
いわゆる、イジメってヤツっすか。
なんだよ…それ…。
「あれぇー⁇坂本さあん。肩、震えてますけどぉ⁇泣いてんのぉー⁇」
後ろから、嫌味ったらしい声が聞こえる。
泣いてる⁇
「ふっ…ふふふ…っあはははっ‼おもしれえ‼」
「なっ…何笑ってるの⁈」
後ろにいた、名前も知らない奴らはいきなり笑い出した私に驚いていた。
イジメ⁇
なにそれ、おいしいの⁇
「こんなもんで泣いてたら、No.1の頭なんてやってらんねぇっつーの。ふざけてんじゃねえぞ⁇」
笑うのをやめて、後ろにいた奴らを睨む。
「っ…‼い…行こっ‼」
2、3人の奴らは顔を蒼くして走って行った。
顔は覚えたし、仕返しはいつでもできるからいいや。